耐震補強の5つのポイント!!
①地盤:建物の揺れは、地盤の状況に左右されます。
②耐力壁:木造住宅では地震や台風の際、壁がその力を受け止めることになります。
③床剛性:床の剛性が十分でないと、壁の耐力にも影響します。
④重量:地震力は、建物の重量に「比例します。
⑤接合部:一定の強度を確保することが定められています。
それぞれが密接な関係にあります。だからバランスが大切!
●地盤から補強するなら、新築・建て替えが無難です。リフォームで済ませるなら、建物を軽くするなどの対策をとりましょう。
●重量については、特に屋根が重くなると揺れ幅も大きくなります。焼き瓦をトタン屋根に替えるなどして、頭が重くならないようにするのもひとつの方法です。重量が軽くなれば、耐力壁も少なくて済みます。
●耐力壁は、耐震補強の中で最も大事です。揺れを抑える重要な役割を果たすからです。ただし設ければ良いというわけではなく、しっかりと配置を考えて壁をつくらなければなりません。
●壁がしっかりすると、床や接合部に負荷がかかります。
耐力壁=床剛性=接合部ですから、どれを補強すれば安心というわけではありません。全部がバランス良く考えられていることが大切なのです。
■補強工事が必要だと思われる家
◯1981年以前に建てられた家
1981年には建築基準法が改正され、筋交いなどの耐震補強部材について見直しされました。その後も金物の補強など次々と改正が加えられています。よって1981年以前の建物は、強度不足が懸念されます。
◯軟弱な地盤に立っている家
昔は沼地だったなど地盤特性が明らかに良くない場所に建てられた家。地震などをきっかけに部分的に沈下したり、最悪の場合は家全体が沈む恐れがあります。
◯老朽化した家
見た目が古い、つまり劣化が著しい建物は、土台や柱が腐っている可能性が高いといえます。1階から2階まで伸びる通し柱も断面欠損していることが多く、地震時に折れてしまうこともあります。
◯1階に壁が少ない家
車を収めるインナーガレージがあるなど、2階を支えるだけの壁の量、強度が1階にない建物。たとえ壁量があったとしても配置バランスが悪いと、強度不足の建物と同じです。
◯下屋の大きい家
1階に対して2階が小さい建物のことで、古い和風住宅に多く見られます。たとえば2階は小さいながらも瓦屋根で重かったり、1階は居間、座敷、奥座敷などの続き間が多くて柱や壁が少なかったりと、上が重くて下が不安定な建物は、地震に対して弱くなります。
◯オーバーハングした建物
1階から2階がせり出した建物。小さな1階に大きな2階が載っていて、見た目どおり非常にアンバランスです。しっかりと補強工事を行わないと、当然、地震に弱くなります。